【民団新聞/コラム】醜悪なヘイトスピーチは自尊心の問題。よその国を笑う前に自問すべき
「憎悪、敵意、粗暴は、弱さの所産である/弱者が自分以上の弱者を餌食にするときの、あの酷薄さ!」。沖仲士であったことから波止場の哲学者と呼ばれたエリック・フォッファー(1902~83)の言葉である。ネオナチやヘイトスピーチ(憎悪表現)を語る際、よく引用される。まさに箴言であろう。だが、弱者をいたぶるあなた自身が弱者なのだ、と言われて己を恥じ、弱者はお互いを労り手を差し伸べ合うべきだ、と諭されて目覚める若者がどれほどいるのだろうか。