【沖縄タイムス/社説】「積極的平和主義」と「侵略」を避ける談話が結びついたら…「平和国家」日本は岐路に差し掛かっている
戦後日本が掲げてきた「平和国家」という言葉は、平和な状態が失われたときに初めて、そのありがたさに気づく性質の言葉である。この戦後の理念が今、切実さを伴って耳に響いてくるのは、まさにそれが失われようとしているからだ。「平和国家」という理念は、戦後70年の間にほころびが目立つようになったが、憲法9条が存在することによって安全保障政策の規範として働き、政府があらぬ道に進もうとするのを食い止めてきた。