【ボクシング】比嘉大吾が絶望の淵から帰ってくる。減量失敗、引退危機からの生還。
あの比嘉大吾が戻ってくる――。5月某日、元WBC世界フライ級チャンピオンの比嘉は横浜市内にある公園でトレーニングに励んでいた。アップダウンのあるゴルフ場のようなコースを走り、芝生の上でさまざまな種類のダッシュ、さらにはグローブとヘッドギアをつけてのマスボクシングといったメニューを次々こなしていった。心拍数が上がり、筋肉に乳酸がたまるのだからきついに違いないが、比嘉はときに歯を食いしばり、ときに大声を上げ、ときに笑いながら練習に取り組んでいた。